領域代表の丸山 大輔 博士が参画したケンタッキー大学の河島博士の研究成果がPNAS誌に発表されました
2020年12月8日
被子植物の重複受精の過程において、これまで精核の移動はメスの配偶子の核に向かって移動するアクチン繊維の動きによって制御されていることがわかっていましたが、どのような分子がこのアクチン動態を制御しているのかわかっていませんでした。今回は精核の移動制御がクラスXIのミオシンによって制御されていることを明らかにしました。また、この精核の移動はアクチン繊維を足場として新たなアクチン重合を誘導するARP2/3複合体には依存していないこともわかりました。これは被子植物のメスの配偶子では他の細胞には見られない特殊なアクチン制御が行われていることを示唆しており、重複受精がスムーズに行われる謎の一端を解明した成果といえます。
本研究成果は、2020年12月8日に米国の「PNAS誌」に掲載されました。
論文情報:
ARP2/3-independent WAVE/SCAR pathway and class XI myosin control sperm nuclear migration in flowering plants.
Ali et al. Proceedings of the National Academy of Sciences
